当社おすすめのオールマイティな補助金
「ものづくり補助金」〜基本編〜
「補助金」は、企業の成長に必要不可欠な設備投資の負担を軽減する有効な手段となります。いわば株式や融資以外の、“第三の資金調達手段“とも言えるでしょう。
そこで本記事では、数ある補助金の中の代表格・定番といえる「ものづくり補助金」に焦点を当て、その特徴や利点、申請手続きについて紹介します。
本記事が、多くの企業様にとって補助金を深く知るきっかけとなり、新たなチャレンジへの後押しになれば幸いです。
ものづくり補助金とは
お客様から補助金活用の相談をいただいた際、当社からご提案する機会が最も多いのが「ものづくり補助金」です。ものづくり補助金は、革新的なサービス開発、試作品開発、生産プロセス改善などに取り組む中小企業の設備投資などを支援するもので、2013年から続いている歴史の長い補助金です。
制度の開始当初は「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」という正式名称だったため、その名残で通称「ものづくり補助金」と呼ばれていますが、現在の正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」となっており、中小企業や小規模事業者であれば、製造業以外でもさまざまな業種で利用できます。補助金額は従業員規模や申請枠によって異なりますが、なんと、750万円〜1億円を受給できるチャンスがある補助金なのです。
ものづくり補助金の補助額
ものづくり補助金の補助額や補助率は以下のとおりです。3つの枠に分かれており、事業者の従業員規模等に応じて補助額が変動します。
枠・類型 | 補助額上限(カッコ内は大幅賃上げ特例の適用時) | 補助率 | |
---|---|---|---|
①省力化(オーダーメイド)枠 | 従業員規模に応じて 750万円〜8,000万円(1000万円〜1億円) | 中小:1/2※ 小規模:2/3 ※1,500万円を超える部分は1/3 | |
②製品・サービス高付加価値化枠 | 通常類型 | 従業員規模に応じて 750万円〜1,250万円(850万円〜2,250万円) | 中小:1/2 小規模:2/3 |
成長分野進出類型 (DX・GX) | 従業員規模に応じて 1,000万円〜2,500万円(1,100万円〜3,500万円) | 2/3 | |
③グローバル枠 | 3,000万円(4,000万円) | 中小:1/2 小規模:2/3 | |
大幅賃上げ特例:補助事業終了後、3〜5年で大幅な賃上げに取り組む事業者に対し、上記枠の補助上限額を100〜2,000万円上乗せ(※新型コロナ回復加速化特例を除く)。 |
枠/類型について
①省力化(オーダーメイド枠)
導入するシステムや設備によって人手不足を解消することを目的とする申請枠です。導入する設備がオーダーメイドであることが必要となり、既存の製品や設備の導入では、要件に該当しない可能性があります。
②製品・サービス高付加価値化枠
DXなど、新たなデジタル時代に自社の競争力を高めることを目的としたビジネスモデルや製品・サービスを変革を目的とした開発を行い、付加価値の高い革新的な製品やサービスの開発に必要な設備投資などを支援する申請枠です。
③グローバル枠
海外事業の拡大・強化等を目的とした「革新的な製品・サービス開発」または「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援する申請枠です。(①海外直接投資、②海外市場開拓、③インバウンド市場開拓、④海外事業者との共同事業のいずれかに合致するもの)
ものづくり補助金の活用例
次に、ものづくり補助金の活用例について解説します。ものづくり補助金を活用した事例も一緒に紹介しますので、貴社の事業に近いものを参考にしていただければと思います。
どのような取り組みが補助されるか
新たなサービスや製品の開発、生産性を向上させるための設備導入であれば、多くの取り組みが補助対象となります。
<製造業>
- 射出成形機の全電動化による精密部品への対応・歩留改善
- 新型切削機導入による高硬度・複雑形状部品製造への挑戦
- マシニングセンタ導入による部品製造の自動化・工程集約 など
製造業では、高精度な技術を求められる部品製造へのチャレンジや、自動化・工程集約などのプロセス改善を通じた生産性向上の取り組みであれば、それに必要な設備の導入資金の1/2〜2/3を補助金で賄える可能性があります。
<飲食店>
- スチームコンベクションオーブンの導入による自動調理・職人依存の低減
- 急速冷凍機の導入によるセントラルキッチン体制の確立&全国通販の実現 など
製造業と同じく、オペレーション改善による生産性向上、人材不足に対する省力化対応に必要な設備導入に利用できるほか、自社の強みを活かした革新的サービス(工夫を凝らした、独自性や希少性のあるサービスを補助金用語で「革新的サービス」と呼びます)を実現するための設備導入に利用できます。
<サービスのDX化>
- MC油圧ショベル導入による災害地等での無人土木工事の実現
- M2Mセンサー・AIによる予防保全技術の確立と保守サービスの革新 など
「ものづくり」と一括りにしていますが、システム開発費も補助対象になるので、たとえばスマホアプリやSaaS等のインターネットサービス提供に関する取り組みについても、ものづくり補助金を活用できる可能性があります。
ものづくり補助金の申請方法
では、実際にものづくり補助金を申請するために必要なものが何か、作成に必要なポイントなどを紹介していきます。
事業計画を作成する
補助金には審査があります。審査員は国から委託された中小企業診断士等の専門家が務めているようです。採択されるためには事業計画の優秀さが認められなくてはなりません。ものづくり補助金の場合、事業計画書(申請書)はA4サイズのワード資料で作成し、10ページ程度にまとめます。
そして審査員は、それらの資料に記載されている内容だけをもとに、その計画の実現可能性や事業性、財務状況などを審査し、採択の可否を判断しますので、審査されるポイントを漏れなく的確に押さえて事業計画書(申請書)を作成しなくてはなりません。
審査を通りやすくするポイント
①上から順に読んでいけば内容を理解できるよう、読みやすい構成にする。
ページを行ったり来たりしないと理解できない資料は、読み手(審査員)の理解を阻害したり、
重要な箇所を読み落とされたりする要因となります。
ちなみに、考えが十分に整理されていないまま計画書を作成すると、要点が絞れなくなり、文章が冗長になったり、内容がとっ散らかったり、論理の飛躍が増えたりする傾向にあります。
対象事業のコンセプトを明確にし、資料の骨子・項目立てをしっかりと設計してから資料を作成するようにしましょう。
②業界用語をなるべく使わない。業界特有の内容はしっかり補足説明する。
補助金の審査員は、全ての業界を深く知っているわけではありません。そのため業界の専門用語などを使うと、審査員が理解できない可能性があります。また、技術的な内容については、誰が読んでもわかるように解説をつけておくことが重要です。
③必要に応じて、表や図、写真などを用いる。
文章だけではなく、図や写真などを用いることは、内容の理解促進や、具体的なイメージを伝えやすくするだけでなく、資料そのものにメリハリを与える効果もあります。流し読みをしていても、図や写真があるとそこに目を止めやすくなりますので、読み飛ばされたくない重要なアピールポイントの周辺に、図や写真を挿入することはとても効果的なテクニックです。
上に示した通り、誰が読んでもわかるように計画資料を作成することが大変重要になります。
ちなみに、これは「補助金申請」に限らない話です。事業計画書の内容を評価する立場の人は、金融機関の担当者や投資家など、むしろ業界外部の人間であることが多いですし、わかりやすい事業計画書を作成することによって社内・外から賛同者や協力者を集めやすくなり、事業をドライブさせることが可能になります。
補助金申請へのチャレンジは、そのような優れた事業計画書を作成する良いキッカケにもなります。
ものづくり補助金の注意事項
ものづくり補助金を申請する前に注意事項を確認しておきましょう。
申請の事前準備
ものづくり補助金の申請方法は、インターネットを利用した「電子申請」となります。事前に「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。このGビズIDは、申請から取得までに1~2週間ほどかかるので、早めに準備しておきましょう。
公募要領の確認
一部の業種や取り組むテーマによっては、補助金の要件を満たさない場合があります。例えば医療法人や、介護報酬等の保険収入を伴う事業では、ものづくり補助金を利用できません。
また、機械装置の性質によっては補助対象経費として認めてもらえないものもあります。(具体的には汎用的に利用できるパソコンやタブレット、行動を走れる車両など。)
補助金申請にチャレンジする前に、貴社の事業がそもそも補助対象になるかどうか、念のため公募要領を確認するようにしてください。
申込期日の確認
直近のものづくり補助金(17次)のスケジュールは以下のとおりです。締切を過ぎると当たり前ですが、受け付けてはもらえないので、余裕を持って準備をする必要があります。
<17次スケジュール>
公募開始:2023年12月27日(水)17:00~
電子申請受付:2024年2月13日(火)17:00~
申請締切:2024年3月1日(金)17:00まで
補助金交付候補者決定:2024年5月中旬頃
補助事業実施期限:2024年12月10日まで
<18次スケジュール>
公募開始 :2024年 1月 31日(木)17:00~
電子申請受付:2024年 3月 11日(月)17:00~
申請締切 :2024年 3月 27日(水)17:00まで【厳守】
補助金交付候補者決定:2024年6月下旬頃
補助事業実施期限:2024年12月10日まで
なお、17次締切では「省力化(オーダーメイド)枠」のみの公募です。また、18次の公募に関しましては、令和5年度最後の補助金になります。年度によって予算が変わる可能性があり、来年度以降は、公募が2回予定されています。次回公募までに期間が空くので、申請できる方は18次の申請をおすすめします。なお、締切時期の都合上、17次に申請した事業者は、18次には申請できない旨アナウンスされていますのでご注意ください。
※補助金交付候補者の採択発表は、2024年5月中旬頃を予定
ものづくり補助金に採択されるために専門家のサポートを受けよう!
補助金の申請は骨が折れる
ものづくり補助金を申請するためには、申請書(事業計画書)の作成をはじめ、誓約書等の作成や経理書類の取りまとめ、審査の加点対策、電子申請フォームに入力する内容の下準備など、作業が多岐に渡り、かなり大きな労力が掛かります。
特に、申請書の作成には慣れている専門家でも50時間、初めての方だと120時間ほどかかります。(もっと短時間で作成される方もいますが、付け焼き刃の計画内容になりがちです)
またその前段として公募要領に書かれている内容をしっかりと理解・把握する必要があり、これにもまた多大な時間を要します。公募要領に書かれている内容は複雑で、かつ曖昧な表現も多いため、自力で読み解いて正確に理解するのは非常に骨が折れます。
事業を成長させるために補助金を活用しようとしているのに、これらの作業に時間を取られて本業が疎かになってしまっては本末転倒ですよね。
補助金サポートのプロに相談!
補助金申請のチャレンジを検討される際は専門家に相談し、事業計画書の作成や申請手続きをサポートしてもらいましょう。専門家に頼らず自力で全部やろうとして、本業がおろそかになってしまっては本末転倒ですので、事業計画書の作成にあたっては、コンサルタントの頭脳だけでなく、手も借りることをおすすめします。
補助金のサポートは、補助金など国の制度活用の専門家であり、かつ経営コンサルタントでもある中小企業診断士に相談してみましょう。また、相談相手を選ぶ際は、サポート実績(補助金の採択率など)を参考にするのも良いでしょう。
専門家に相談するメリット
①時間の節約につながる
補助金の専門家のサポートを受けることで、補助金のことを自分で一から調べる必要がなくなり、調査にかかる時間を節約できます。また実際の申請作業についても、専門家からレクチャーを受けながら一緒に行うことで申請ミスを減らすことができます。
②国が求める文脈に沿った申請書を作成できる
補助金申請の申請サポートを行なっている事業者のなかでも、中小企業診断士に相談するのが特におすすめです。
中小企業診断士は「企業と行政の橋渡し役」として国が認めている専門家です。中小企業政策を熟知しているため、補助金の適切な活用方法をアドバイスすることが可能です。
③専門家とともに、計画の実現性を高められる
さらに中小企業診断士は、事業デューデリジェンスや事業計画の専門家でもあり、金融機関とのリスケ交渉等を伴う経営改善計画の策定支援などの業務も担っています。金融機関を説得できる高品質な事業計画を策定しているプロフェッショナルの診断士に相談できるのであれば、心強いですよね。
④外部の視点を取り入れ、説得力を高められる
外部の専門家は、自社の置かれている状況や、事業の特性、業界特有の技術などの知識については、どうしても浅くなりがちです。
ですが、優秀な専門家は、外部の人間であるからこその客観的な視点で、企業の強みや弱み・機会・脅威などを多面的に分析し、成功への筋道を示してくれます。
専門家と密にディスカッションを重ねることで、内部者による深い視点と、外部専門家による客観的な視点の両面から、多面的で説得力のある事業計画書を策定することが可能になります。
専門家に相談する際の留意点
①採択後も支援してくれる専門家を選ぶ
補助金は採択されたら終わりではなく、採択されてから補助金が受給されるまで最低半年、長いと1年近く掛かります。その間も様々な手続きが発生するため、採択後もしっかりと伴走サポートしてくれる事業者を選ぶことが重要です。
②経営者に共感してくれる専門家を選ぶ
事業計画の相談相手には、経営者の哲学や想いに共感してくれる専門家を選ぶことがとても重要です。そのような専門家とともに是非、魂のこもった計画書を作成してください。
経営者の想いが込められている事業計画書には迫力があり、時間をかけて作成した事業計画はそれらは読み手にも伝わるものです。
③専門家と密にコミュニケーションする
事業計画の策定において、専門家との会話(インプット)の量は、事業計画書(アウトプット)の内容の濃さや深さに直結します。ですので、専門家とは定期的に会話し、ミーティングの場で、自身のビジョンや目標、ものづくりプロセスに関する課題、悩みなどをどんどん専門家にぶつけるようにしてみてください。くれぐれも丸投げ(資料だけ渡して「あとはよろしく」みたいなこと)はしないようにしましょう。
ものづくり補助金の内容と注意事項を確認して賢く活用しよう
補助金と聞くと、何だか難しそう・・・と、とっつきにくいイメージがあると思います。補助金の公募要領を読んでも、内容が複雑だったり、専門的な用語が多かったりと分かりづらいと感じた型も多いのではないでしょうか。ですが、ものづくり補助金は、実際には本当に使い勝手の良い補助金です。補助金額は従業員規模や申請枠によって異なりますが、750万円〜1億円を受給できるチャンスがあります。数ある補助金の中でも高額な受給額なので、補助金を知り尽くしているプロから見ても、是非、多くの中小企業や小規模事業者に活用していただきたい補助金です。
私たちは、補助金サポートのプロとして、経営者の意向をしっかりと汲み取り、単なる採択をされるまでのサポートに留まらず、補助金を通して事業を発展させるためのノウハウがあります。今までのお客様の中にも、採択されるのか不安、自分たちに出来るのか分からないなど、たくさんのお話を聞いてきました。私たちが皆さんの不安な気持ちを解いてあげることで、自社の発展のために前向きに補助金活用に踏み出してくださった方々ばかりでしたので、ぜひ一度ご相談ください。補助金活用は、自社の事業を通して社会貢献にも繋がる素晴らしい政策です。この機会に補助金を活用してみてはいかがでしょうか。
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